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外関(がいかん)

  • 執筆者の写真: Tomokazu Ichikura
    Tomokazu Ichikura
  • 1月23日
  • 読了時間: 3分

主治:熱病 片頭痛 難聴 寝違え 肩こり 腱鞘炎


今年の冬はインフルエンザが猛威を振るっています。そして、コロナウイルスもまだまだ流行っています。このような状況の中で、手軽にできる良いツボをないかと考えてみました。


今回は、外関(がいかん)といういツボを紹介します。手の少陽三焦経(しょうようさんしょうけい)のツボで、“外”は外側で、“関”はとざすの意味で、季節や時間、気温、湿度、細菌やウィルスなど身体の外側の環境に対して門番(関所)の役割をします。このツボは、陽維脈(よういみゃく)というカラダにある6つの陽経だけをつなぐ特別な経絡のツボで、強くなり過ぎた陽気を減らす逃げ口にもなりますので、病に罹っても罹らなくても使える使い勝手の良いツボです。


中医学における穴性学(けつせいがく:ツボの特徴を明らかにする学問)からみると、「去六淫表邪(きょりくいんひょうじゃ)、「通経絡気滞(つうけいらくきたい)、本来あるべき血の巡りをよみがえらせる「理気活血(りきかっけつ)、「清熱解毒(せいねつげどく)、「舒筋活絡(じょきんかつらく)」、「鎮驚熄風(ちんきょうそくふう)などがあります。


つまり、東洋医学からみると、このツボは、陽気を巡らせて、暑さや寒さはもとよりカラダにまとわりつく湿気、または乾燥、体温を奪う風などの外環境によってカラダの表面におきる変化を取り去ったり、またその環境(六淫(りくいん:風暑湿燥寒火))から影響を受けないようにします。もし気が滞ってしまったらそれを通して、気血を元気づけてたり、気血の巡りが悪くなって帯びた熱を冷まして良くない状態になった気血を元に戻したり、固まった筋肉を伸び伸びとさせます。ココロの面では落ち着きをなくして驚きやすくなったのを鎮めます。


したがって、風邪をひかないために、または風邪のひき始めで葛根湯を服用する際、合わせて使えます。また、巡る陽気はココロにも影響を与え、不安を抑え落ち着かせます。血管認知症の改善が期待できる方法のツボの組み合わせでも使われています。


一方で、西洋医学の解剖学からみると、小指伸筋(しょうししんきん)と総指伸筋(そうししんきん)が関わっています。そして、その筋肉を包む筋膜は、肩、背中、頸とつながっているので、肩こり、背部痛、首こりにも利用できます。首を傾けたり、倒したりするのが難しいときに触って変化を起こせることがありますので、ぜひ空いた時間にケアしてみてください。


ツボの取り方

部位:前腕の後面、手関節の背側から肘に向けて指3本分のところ。橈骨と尺骨の間。


「ツマ楊枝の鍼灸術」 P89より引用


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