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陰陽

執筆者の写真: Tomokazu IchikuraTomokazu Ichikura

陰陽(いんよう)は、森羅万象(しんらばんしょう)、すべてのモノ、事象を認識するうえで一番初めに行う考え方で、0か1か、〇か×か、白か黒と2種類に分けて判断します。

陰陽の起源は、丘で “陽が差す” と “雲で覆われる” という2つの状況を指す言葉でした。そして、その概念は中国古代三大神様のひとりである伏羲(ふくぎ)が八卦をつくって説いたと言われてます。八卦が太極(一番下に太極図)となって一つのカタチ(概念)となり、それを自然にあてはめ、自然の中で生きる人そのもの・生活・政(まつりごと)にも展開するようになりました。東洋医学にも「統一体観(とういつたいかん)」という特有の見方でもって、解剖、生理、病理、診断(鑑別)、治療、養生にいたるまで、すべてに関わっています。


東洋医学の三大古典の一つの『黄帝内経(こうていだいけい)には、「陰陽の働きとは天地の法則である。万物にとってはずせない秩序であり、陰陽は変化の父母といわれる。人は生まれることが死ぬことの始まりであり、神明、天地を動かしている目に見えない力が宿っているのである。」とあります。(陰陽應象大論篇(いんようおうしょうだいろんへん)


自然界での陰陽は次のとおりです。

太陽

春夏

奇数

秋冬

偶数


そして、人での陰陽は次のようになります。

皮膚

乾燥

筋骨

湿潤


人の健康は、陰陽のバランスをとることが大事で、陽が多くても少なくても、陰が多くても少なくても良くありません。


三大古典の二つ目『傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)』は、疾病の時間的経過による疾病の時期を6段階(3つの陽証・3つの陰証、「三陰三陽(さんいんさんよう)」と言います)で示し、病毒の位置(腹部、体表、心胸部)でに分け、薬物の種類と組合せました。


そして、薬物を構成する生薬(しょうやく)について、三大古典の三つ目『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』(漢方最古の薬学書)には、「寒(かん)を治(ち)するは熱(ねつやく)を以(もっ)てし、熱(ねつ)を治(ち)するは寒(かん)(やく)を以(もっ)てす」と陰陽を使って“気味(きみ)”と呼ばれる薬気(やくき)概念を定義しました。

太極図

参考 

『陰陽五行小識』 林克 大東文化大学『人文科学』第三号 1998年

『傷寒論における陰陽虚実について』 藤平健 国際鍼灸学会誌 1966年

『周易』 大中




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